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2015
02.13

「その女アレックス 」ピエール・ルメートル

Category: 本の感想
その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)
(2014/09/02)
ピエール ルメートル

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おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)


面白かった。評判が評判だったのでわりと構えて読んだ部分もあったけど、物語は二転三転、ぐいぐい引き込まれていき、2部に入ってから一気に読んでしまいました。

ミステリーものにおける監禁ものにはロマンがあるよね。閉鎖されて特殊な環境内における犯人と被害者。ある意味では雪の山荘ものに近い、物理的にも情報的にも制限された中で、なぜ?が繰り返されて、そこから答えを導き出そうとする。そんなわけで、監禁ものは大好きです。「このミステリーがすごい!」は本格系とはまた違ったものがあげられることも多く特に気にしないことが多いんですが、監禁もの、読みましょう、みたいな感じで手を付けました。

とは言っても実際、この物語は監禁の話ではない、というのはわりと始めにわかります。
物語は1部2部3部と分れていて、1部では理由もわからず監禁されるアレックスと、アレックス誘拐を目撃した男の証言からの警察の捜査視点が交互に繰り返される。
2部になると話の方向がずていく。何かが解決したと思ったらさらなる深みにはまっただけだったという、新たなという以上に謎謎謎の行動に翻弄される。本当に理由がわからない。ここはわからないように書いてるような気がして(一部でアンフェアみたいなコメントも見かけたけどまあそれはその通りだなと思う)、それでも一体何をしようとしているのか、何が起こっているのか?ではななく何をしようとしているのかというアレックスの行動のその先が気になって目が離せない。
そして第3部の解決編。2部が衝撃的な終わりを迎えて、呆然としていたところ。これはダメなのではないか。どうあっても"解決"なんてできるのか。つまり私たち読者が納得できるような。そんな気分で、読み進めたら、あれよあれよと色々な部分が繋がってきて、最後の最後に選んだその落としどころに拍手したい。


以下、ネタバレかもしれない






最後の、大事なのは真実ではなく正義、というその台詞が名言だと思った。
その瞬間に何かがストンと落ちたような、つまり溜飲が下がったのか。
被害者と思われた人物が加害者で、加害者かと思ったらやはり被害者で、最悪な人生で幕を閉じた彼女に救いはないのかと解決編を読み進めるにつれ気分が落ちていって、でも途中から何かおもむきが変わってきて、最後の警察側の見解を聞いて、やってやったぜこんちくしょー!みたいな気分になりました。
真実ではなく正義。そちらを選んだ警察に拍手喝采。
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